聖マリア ハートクリニックのホールで、14:00〜16:00、長久保 美奈(ミナ•コーポレーション)先生による接遇セミナーが開催されました。
長久保 美奈先生は、日本航空国際客室乗員部に入社。乗務員として世界21カ国をフライト。
接客のプロとしての接遇マナーを確立された方です。
本日は、4回シリーズのセミナー最終回で、「敬語の使い方、言葉遣い」、「電話応対、接客応答で気をつけること」でした。
(院長の最も不得手なところです。非常に勉強になりました)
敬語の種類
敬語は、相手との関係に応じて使い分けされます。
(平成19年度文化庁審議会の答申「敬語の指針」で、敬語が3つから5つに区分された)
①尊敬語 相手に対して
②謙譲語I 自分を下に、自分から相手、自分から第三者に対して向かう先の人を立てる。主語は「私」「弊社」などで、相手に向かっている場合「私は○○さんに伺う」
③謙譲語II 自分の動作などを丁重にいう(目の前の聞き手に敬意を表す。ビジネスに便利)「参る」「申す」「いたします」「おります」など、自分側の行為を相手に対して丁寧に述べる。
④丁寧語 「です」「ます」「ございます」など、相手に対して丁寧に述べる。
⑤美化語 上品、丁寧なことば遣い 「お酒」など、美化して述べる。
美化語について
「お」は、和語(訓読み」、「ご」は、漢語(音読み)の言葉につけられることが多いが、例外も多い。
•「お」・・・お名前、お住まい、お気持ち、《例外 お食事》
•「ご」・・・ご氏名、ご紹介、ご勤務
•使う習慣がないもの:外来語、良くないこと(ご病気、ご離婚など)、自然現象(お雨、お曇りなど)、自分の動作(物事の一部、「私のご意見」など)
尊敬語について
•言いかえ型
する➡される、なさる
いく、くる➡いらっしゃる、おいでになる
たべる➡召し上がる、お召し上がりになる
見る➡ご覧になる
言う➡おっしゃる
知っている→ご存知
•付け足し型(「お〜なる」)
きく➡○おききになる、×受付でお伺い下さい(*伺うは謙譲語I)
考える➡お考えになる
思う➡お思いになる
会う➡お会いになる
•付け足し型(「れる、られる」)
きく➡きかれる
行く➡行かれる
借りる➡借りられる
会う➡会われる*敬意の度合い* 食べられる(低い)➡お食べになる(中)➡お召し上がりになる(高)
注) ”尊敬語”の「お」〜「なる」 ×治療についてご検討して下さい➡治療についてご検討なさってください。
”謙譲語”の「お」〜「する」 ×本日お手続きいたしますか?➡本日お手続きになりますか?(なさいますか?)○当院の担当がお手続きいたします。
謙譲語I
誰に敬意を表しているかが分かるのが特徴
<例>
•お目にかかる(私は佐藤様にお目にかかる予定です)
•申し上げる(私は患者様に待ち時間の件をすでに申し上げました)
•伺う(私は明日院長先生のご自宅へ伺う予定です)
•拝見する(佐藤様、もう一度保健所を拝見しても宜しいでしょうか)
謙譲語II
誰に敬意を表しているかが分からないのが特徴
おそらくは目の前の相手に敬意を表す。ビジネスシーンに大変便利
<例>•参る•存じる•申す•おる•いたす
明日から研修に行きます➡参ります
後で連絡します➡(ご)連絡いたします など注)謙譲語を目上の人の行為にうっかり使ってしまうパターンに気をつけましょう
×どうぞいただいて下さい➡○どうぞ召し上がってください
×毎月のおチェックに参られませんか?➡○いらっしゃいませんか?
×どのようにいたされますか?➡○どうのようになさいますか?
いつの間にか使っている二重敬語に注意
社会人として敬語を使おうとする意気込みは素晴らしいものですが、 正しい敬語を使わないとかえって印象を悪くしてしまいます。
そのひとつが「二重敬語」と呼ばれるものです。 二重敬語とは、ひとつの単語について、同じ種類の敬語を二重に使った間違いをいいます。
「おっしゃる」「お越しになる」「おいでになる」「ご覧になる」などは すでに敬語になっていて十分なのですが、さらに「…れる」という尊敬語を加えてしまう人が多くいます。×ご予約をお承りしました➡○承りました、お受けしました
×院長がおっしゃられたことはごもっともだと思います➡○おっしゃった
×佐藤さんはすでにお帰りになられました➡○お帰りになりました
×ゴルフをなされるそうですね➡○なさる、される注)慣例として定着している二重敬語の例
以下は二重敬語になっていますが、習慣または慣例として定着しているため、 使用してもよいと考えられています。・お召し上がりになる
「食べる」→「召し上がる」と、「お~になる」を二重に使用しています。・お伺いする
「聞く」→「伺う」と、「お~する」を二重に使用しています。
クッション言葉のフレーズいろいろ
①尋ねる、依頼するとき
•失礼ですが〜
•恐れ入りますが〜
•お手数をおかけしますが〜
•お忙しところ申しわけございませんが〜
•申し上げにくいことなのですが〜
•お差し支えなければ〜
•ご迷惑とは存じますが〜
•勝手を申しまして恐縮ですが〜
•お使い立てして申しわけございませんが〜(人に頼んで自分の用事をしてもらうとき)②断るとき
•大変申しわけございませんが
•せっかくですが
•あいにくですが
•誠に残念ですが、〜いたしかねます、〜できかねます
→ご容赦くださいませ、お役に立てなくて申しわけございません
→代わりに〇〇ではいかがでしょうか/来月ですとご予約が承れますがいかがでしょうか③質問したいとき
•お尋ねしたいことがあるのですが
•つかぬことを伺いますが
•よろしければ④注意をするとき
•恐れ入りますが〜ご遠慮くださいませ(ご遠慮いただけますか?)
•恐れいりますが〜ご容赦くださいませ
•申しわけありませんが〜お許しくださいませ⑤援助を申し出るとき
•よろしければ〜しましょうか?
•私にできる事がございましたら
•何かお力になれる(お役に立てる)ことがございましたら