看護師3人が参加。
本日の学習内容
12誘導心電図編•総論
苦手とする人が多い
なぜ 12?
どういうふうに見るのか?
なにが正常なのか?
なぜ12誘導心電図なんだろう?
〈最低限の情報量を落とさないため〉
様々な方向から心臓を眺めるイメージ
多いと情報量は多くなるが、実際の臨床に役立たない。12個が多すぎず、少なすぎず。
でも12個は多い。
ポイントは12個全部を見ない。
それぞれの波形の「正常」の枠を持たなくても読める。
〈その方法〉
1)見る場所(誘導)を決めておく
2)見る順序を決めておく
〈こつ〉
全ての誘導の波形を同じように見ない
以上でQRS波に関しては、ほぼカバーできる。
12誘導心電図をみる「こつ」
見る順番を決めておく(緊急でない場合)
•心拍数
•QRS波(幅/肢誘導/胸部誘導)
•ST部分
•T波
「正常」を見極める
心拍数:50〜100/分
QRS波
幅:0.12秒(3mm以内)V5が見やすい
肢誘導:I. II誘導で幅の広い(1mm以上)のQ波がない
胸部誘導:V1〜V6誘導に連続性がある
ST部分
すべての誘導で基線にある
基線:心室の収縮終わりから心房の収縮の始まる前
T波
QRS波の大きな波の方向に向いている
馬のT波??
P波・QRS波・T波の意味
心電図では縦軸に電位が示されている。1mVを10mmとして表示し、1mm毎の細い線は0.1mVになる。
P波
心房の脱分極を示す。心房に異常があればP波に異常が現れる。
QRS波
心室の脱分極を示す。QRS波は心室の脱分極の過程すなわち電気的刺激が心室内を伝わる様子を表し、心室に異常がある場合はQRS波に異常が現れる。
T波
脱分極した心室は再び静止時に戻ろうと再分極し、心室の再分極がT波となる。心室に異常があれば、QRS波だけではなく、T波にも異常が示されることが多い。
QRS波は見るべきポイントを決めておく
•幅:3mm以内
•肢誘導:第I, II誘導に幅の広い(1mm以上)のQ波がない
•胸部誘導:V1〜V6に連続性がある。
PQ間隔とQRS幅
心電図では横軸に時間が示されている。1mm毎の細い線は0.04秒、5mm毎の太い線は0.20秒を表す。
PQ間隔(PQ interval)
P波の始まりからQRSの始まりまでの時間として計測し、心房から心室までの刺激が伝わるのに要する時間を意味する。
正常な場合は、0.12~0.20秒であり、これよりも早い場合は副伝導路(WPW症候群)の存在が疑われる。また、遅い場合は、心房と心室間の伝導が障害されている房室ブロック(I度)が疑われる。
QRS幅
QRS波の始まりから終わりまでの時間として計測し、心室全体が脱分極するのに要する時間を意味する。
正常では0.10秒以下であるが、0.12秒の幅広いQRS波は右脚ブロックなどの心室内伝導障害が考えられる。
正常の定義
•I, II誘導:R波が上向き
幅1mm以上のQ波がない
•胸部誘導:V5誘導を中心に連続性がある
*この定義を満たさない場合は、必ず、異常Q波がある。
異常なQRSとは?
•変な形(正常には見られない形)
1)I, II誘導の下向き並みと胸部誘導の連続性
2)幅の広い(3mm以上)のQRS波•変な大きさ(正常には見られない大きさ)
•V5誘導のR波が26mm以上
異常Q波の意義
本来は向かってくる波がなくなった。
→心筋がなくなった。
異常Q波のあるところに心筋梗塞がある。
異常Q波があったら必ず、心筋梗塞?
→心筋がなくなったところに異常Q波が出現するため、拡張型心筋症、サルコイドーシス、アミロイドーシスでも出現
異常Q波:心筋が興奮していない
(頻度として多いのは、心筋梗塞)
波形そのものが「異常」なのではない
あくまで連続性に注目!