心エコー
概念:超音波を利用して、心臓の形態や心機能などを調べる。
Bモード:反射エコーの強さに応じた輝度(brightness)、すなわち明るさの強弱を表示したもの
Mモード:Bモード表示された部分の時間的動き(motion)を表示したもの。
それぞれの頭文字をとって、Bモード、Mモードとしている。断層法
a.アプローチの方法
•心窩部アプローチ
•心尖部アプローチ
•胸骨左縁アプローチ
•胸骨上窩アプローチ
•食道アプローチb.基本的な断層面
①胸骨左縁アプローチ
a)左室長軸像
b)左室短軸像
②心尖部アプローチ
a)心尖四腔像
b)心尖二腔像
c)心尖長軸像Mモード
a. 左室Mモード
正常値;心室中隔壁厚(IVST): 7-11mm
左室後壁厚(PWT) : 7-11mm
左室拡張末期径(LVDd):40-55mm
左室収縮末期径(LVDs):22-44mm
左室駆出率(EF) :55-80%
b. 僧帽弁Mモード
c. 大動脈•左房Mモード
正常値:大動脈径(AoD) : 24-38mm
左房径(LAD):20-40mmドプラ法
a. カラードプラ法
•プローベに近づく血流は赤色で、プローベから遠ざかる血流は青色として表示される。
•狭窄流、弁逆流、短絡血流などの異常血流では流速が早くなり、血流に乱れ(乱流)が生じ、「モザイクパターン」を呈する。
b. パルスドプラ法:超音波ビーム軸上の任意の部位の血流速度が測定可能である。
•プローべに近づく流れは基線より上向きに、遠ざかる流れは基線より下向きの波形として記録され、ピークが流速となる。
•主に、左室流入血流や駆出血流のパターン解析などに用いる。
•正常の心腔内の血流速度は1m/s前後であるが、狭窄流や弁逆流などの異常血流では流速は速くなる。
c.連続波ドプラ法
•連続波ドプラ法で得られた最大血流速度(Vm/s)から圧較差(4V2mmHg)が測定できる。
簡易ベルヌーイ式:圧較差=4V2mmHg
•大動脈弁狭窄症の重症度
•右室収縮期圧(肺動脈収縮期圧)mmHg=右室•右房圧較差+右房圧=4V2+10
•僧帽弁狭窄症における左房•左室圧較差、閉塞性肥大型心筋症における左室流出路圧較差、僧帽弁狭窄症においてPHT法による弁口面積測定に応用できる。負荷心エコー
•ドブタミン負荷心エコー:虚血性心疾患の診断に有用経食道エコー
•胃カメラの先端に専用のプローベのついたファイバーを用いて、食道側から心臓あるいは大血管を観察するもの。
•体表からのアプローチと比べて、肺や肋骨の妨害がなく、食道に隣接する左房、僧帽弁、下行大動脈、心房中隔などが明瞭に描出される。
•左房内血栓(特に左心耳内血栓)、僧帽弁の腱索断裂、感染性心内膜炎(疣贅の検出)、僧帽弁位の人工弁機能不全、心房中隔欠損症、心臓腫瘍、大動脈解離などの診断に有用心エコーにようる心機能評価
心機能は収縮能と拡張能に分けられる。
•収縮能:左室駆出率(EF)
EF= LVEDV-LVEDS/LVEDVx100(%)
正常値:55-80%
•拡張能:パルスドプラ法による左室流入血流速波形、肺静脈血流速波形や組織ドプラ法による僧帽弁輪移動速度から拡張障害の程度を評価できる。